2005-06-13 22:53:14

第3のビール [ alcohol ]

"ビール"というものに爽快さと酔う機能しか求めていない一般大衆の大半の日常にマッチする商品開発と言う綿密なマーケティングが功を奏した。

一般大衆も特別な日には特別な酒を飲むだろうし、
ボーナス月にはエビスを1ケース買うかもしれない。

でもほとんどの日常はただ酔いたいだけ。(Manic Street Preachers/A Design For Life)

それは収穫を祝う宴に味わうものではない。

苦痛に満ちた逃げ場のない日常をわすれるために、昔の人はうまくもない酒で誤魔化していた。昔の人もうまい酒の存在を知ってただろうが流通も情報も発達していないし簡単に手にはいるものではなかったのではないか。

そう考えれば現代人は恵まれている。ジュースと10円から20円の違いでちゃんとそれなりにうまい酒が飲めるのだから。
貧しい気持ちになんてならずに済むだろう。

一時の利益のために大衆に趣向を合わせすぎて文化(コアコンピタンス)を壊したメーカが辿るのは、破滅だ。
過去にウイスキーのふるさとであるアイルランドのアイリッシュウイスキーが同じ過ちを犯し、地ウイスキーがほとんどなくなっていた。
今、アイリッシュも昨今のモルトブームに乗ろうと復活を、試みているが一度絶えた文化を復権するのは大変だ。
#ティアコネルやコネマラなどすばらしいがスコッチの地位は揺るがさないだろう。
シングル・モルト・アイリッシュについて(M's Bar)参考に。

そんなことは日本のメーカは知っているから、こけたら共倒れになるようなほど全力を注いで作ったりはしてない。
ニッチで軽く儲けて、消費者が飽きても損が出る前に撤退できるようには計算ずくだろう。
でもそんな(清涼飲料水にも見られる)やり方はエコロジカルじゃないなと思う。

食用にはならない材料でうまい酒をつくるとか。余ったものでうまいものができたとか、そんな武骨なやりかたの方が酒造業者にはふさわしい気がする。

文化的な話を経済サイドの言葉で語ると寂しい気もするが、文化には適切な供給バランスがある。
そのバランスを見誤ることなく、作る側が生活ができた上で、よい文化も大事に守り、育んで欲しい。

有名なスコッチメーカのマッカランがSAPで動いているのは、文化を守るために管理費を最低限にするためであろう。昔の製造方法を守るために徹底的に経営合理化を勧めるのは経営者にとっても消費者にとっても得する事が多いし、なにより伝統の文化を守ろうとする姿勢が素晴らしい。

目新しさも重要だけどそれが文化にまでなるには相当の淘汰があるだろう。

原材料費ではずっと高そうなエンドウ豆でお酒をつくるってことがエコロジカルでないし、大麦で作ったビールの方が税金が高いってのは問題があると思う。
前者の方が贅沢品であることは間違いない。

第3のビールについてはメーカの姿勢も、税制についてもなんか釈然としない。
2005/6/16 2:40大幅に加筆修正。

第3のビール | Permalink | コメント(0) | Trackback(0)


TrackBack

この記事の TrackBack Ping-URL :
http://nis.blogtribe.org/tbinterface.php/d73f801f4b50676c981e1329a1fd80ca



コメントは投稿されておりません。

名前 :
タイトル :
URL :
コメント :
?